私たちに

できることは何だろう



東日本、北関東は

未曾有の被害にあっている。


私は

家族がそろって暖かい寝床で寝て、いつもの朝食をとって、買い物に出かけ、バラを植え、

すずらんの苗を植えた


リカは

先週できなかったお別れ会に出かけた。精一杯お洒落して


津波や地震はある意味、局地的なできごとだけれど

原発の対処如何によっては


日本どころか韓国中国の、いや世界中の問題になるだろう


今できることは


いつもの暮らしを淡々と

送る事だと思っている


仕事に出かけ

買い物にでかけ

洗濯をし

花を植える


東日本の危機を西日本が支えるのだ

経済

流通

人的


むかし「渚にて」という映画があった

あの映画のように

絶望的な状況の中でも毎日のくらしを精一杯

続けて行きたい


だからわたしは

林檎の木ならぬ

ばらの苗を植える


リカは勉強に励み、リカ兄貴は美味なる食事を出すために仕事する



義援金を送りたいと思います

今は荷物を送ってもつかないだろうし

ボランティアに行こうにも遠路すぎる(阪神のときはまだ行けた)


それくらいしか私にはできない


今日、旅館の三階から犬と共に救出されたお爺さん、丸顔の穏やかな顔の方だった

自衛隊の人と地面をふんで満面の笑顔

どうして笑顔

「助かってよかったです」

「再起しましょう」


「それしかないです」


家もないかもしれないのに


どこかへ向かっていた


お年寄りって偉い


非力で経済力もないかもしれない

でも

この

えびす顔から送られる、長年の知恵からの力強い言葉はどうだ

伊達に人生歩んでいない

震災も戦災も乗り越えてきただろう方の、黄金の言葉

「再起しましょう」





髪の薄くなったお父さんが

海水に濡れたボロ布団を纏いながら息子の名を呼び、その風亭とあまりに違う立派な住宅外を歩く

そんな布団もう役にはたたないかもしれないのに、捨てることさえ思いつかないのか

それしかもう残されていないのか

背中に負い

ただ歩いていく



あまりにつらい現実

それを四角い液晶ごしに紅茶を飲みつつ眺める不謹慎


屋根に捕まって助かったお父さん




私は

まけないよう

日々の暮らしを送ります